2014年10月11日土曜日

子イモリ飼育とコオロギ生産体制について考える

フタホシコオロギの1齢幼虫の供給が,どうやら過剰のご様子。毎日新規供給していますが,明らかに子イモリの飼育ケース内のコオロギの数が増加してきています。コオロギが水ゴケ内に潜り込んでしまうため,模様替えも兼ねて水ゴケの撤去を行ったところ,あまりにもの多量のコオロギに子イモリが驚いて,パニックになってしまいました。明らかに,1日あたりの消費量<<1日あたりの供給量になっています。これまで,活き餌の供給がうまくできていなかったので,焦燥感から供給過多になっています。もちろん,現時点で子イモリ全員がコオロギを餌として認識し,捕食がうまくできておらず,本来の消費量になっていない可能性も否定できません。また,コオロギの種親は入手時点で成体であったことから,余命を心配してたくさん産卵させたかったというのもあります。供給を絞るには,産卵床のセット数を減らせばよいのですが,孵化までに約2週間かかるため,2週間後の需要を想定して,管理をしなければならない難しさがあります。とはいうものの,コオロギの供給が少し足りないくらいが丁度よいのかもしれません。食べ残したコオロギが子イモリと同居しながら成長してしまうと,中途半端な大きさの敏捷なコオロギを捕獲する手間が大変そうです。コオロギの成体は,いまの子イモリにとっては脅威になりそうなので,とても同居はさせられないと思います。コオロギの幼虫だけで足りない分は,水でふやかした乾燥アカムシやイトミミズのブラブラ作戦か,置き餌で賄うのがよいでしょう。コオロギを食べて健康でいてさえくれれば,餌付けのチャンスはいくらでもありますが,絶食してどんどん衰弱してしまうようだと,餌付けは高確率で失敗するでしょうから。

現在,毎日産卵床を3個セットしていますが,これを2日に1回,しかも2個に減らしてみようかと思います。最初はコオロギを孵化させた経験がなかったので,産卵床の管理に自信がなく,失敗も見越して大目に産卵床をセットするようにしていました。現在はコツがわかってきたので,その程度のセット数で十分な気がします。フタホシコオロギの種親は3週間ほど前に40匹ほど導入しました。だいたい,♂20匹,♀20匹くらいだったと思います。そのままペットに食べさせる客はともかく,シゲルのように種親に使う客もいると思うので,雌雄割合に極端に差があるとクレームがでそうです。きっちり数をカウントしてパッキングされていることから,きちんと♂20匹:♀20匹で出荷していると思います。客に買われるまでに死亡,購入直後に蓄積されたストレスで死亡するコオロギが目立ちました。落ち着いてからは,たまに1匹か2匹,死んでいるのを見かける程度です。真面目に数えていないので推定になりますが,現在生存している♀は15匹未満というところでしょうか。この1/10以下でも十分に上陸直後の子イモリの食料生産はまかなえそうです。我が家の子イモリは18匹ですのが,♀が1~2匹もいれば十分と思います。

コオロギの1齢幼虫を1グラム通販すると,送料やら手数料やらひっくるめて,1回あたりおおよそ2000円くらいかかります。これだけあれば,種親と飼育設備が導入できてしまいます。シゲルの場合,余計な小物まで買い込んで足が出てしまっていますが,既に投入した1齢幼虫の量を考えると,十分に元は取れたと思っています。始める前は面倒に感じて,なかなか手がでませんでした。始めてからは,面白くてのめりこみすぎました。正直,労力をかけすぎたと思っています。だいたいコツがつかめたので,これからは手を抜けるところは抜いて,子イモリの観察のほうを楽しみたいと思います。

お金の話がでてきたので,ここでコオロギ種親導入の難易度について考えてみたいとおもいます。先に書いた通り,お金に関しては自家繁殖はすぐに元がとれてしまいます。要は手間(工数)が問題になるわけです。コオロギの飼育についてネットで調べると,たいてい爬虫類を飼育されている方々のサイトにたどり着きます。この方々は,ペットの種類と数量に応じて,中~最大サイズのコオロギを大量に必要としているようです。その為,購入コスト>>自家繁殖コスト十工数と判断されています。彼らの場合,毎日のコオロギの給餌,給水,定期清掃の世話がものすごく大変そうです。♂の騒音,捕獲作業,脱走対策,悪臭・・・ 家族の理解を得ることは大変でしょう。この情報を目にした時点で,たいていの子イモリ飼育者はコオロギの種親飼育に二の足を踏むと思います。シゲルもそうでした。ですが,コオロギ飼育って,そんなに大変でしょうか? 結論から先に言ってしまうと,子イモリ飼育のためのコオロギ飼育は,そんなに大変ではありません。種親の数は,子イモリの1/5くらいでなんとかなるからです。コオロギの観察も楽しいものだったりします。また,種親の維持も,食べ残したコオロギから適正数を選抜して,種親と同居させておけばよいだけなので,気負う必要もありません。コオロギが爆殖しそうなら,罪悪感はありますが不要分は廃棄すればよいでしょう。たとえ子イモリが200匹いたとしても,種親に♀20匹,♂10匹もいれば十分でしょう。これなら,15~20L程度のプラケで余裕で維持・管理できます。当然,子イモリの成長に伴って,コオロギの需要も増加します。成体のように水中生活十合成飼料で管理できるようになるまで,コオロギで全てまかなおうとすると,コオロギの生産体制を強化しなくてはなりません。それでは大変なので,子イモリの長期飼育においては,冷凍 or 乾燥アカムシ&イトミミズやその他のドライフードに慣れさせるのがベストと考えます。栄養バランスを重視するなら,合成フードがベストでしょう。上陸直後の餌付けが難しい期間に対し,コオロギを使うわけです。子イモリの幼生飼育で冷凍アカムシを導入された方は,冷蔵庫保管というハードルを越えてきたわけです。また,活きイトミミズを導入された方は,わざわざショップに足を運ぶ手間をかけたわけです。これらができる方ならば,種親コオロギを導入するのは,簡単なことだと思います。多くの方々の飼育環境下で,上陸後の餌付けがうまくいかなくて個体数が激減している可哀そうな状況は,種親コオロギを導入するだけで実に簡単に解決できてしまうと思います。

次に,コオロギの1齢幼虫の生産体制の確立を,子イモリ飼育のどの時点で行うべきだったかを考えてみます。我が家の場合,産卵床をレッドビーシュリンプ飼育水槽の蛍光灯に密着させて温度を上げて,孵化に要する期間短縮を図っていますが,それでも14日はかかっているようです。蛍光灯が消えているときは,室温24~25度です。27度管理で14日かかるそうなので,そんなものでしょう。孵化に要する日数の計算は,積算温度から計算できます。日数=27度×14日/管理温度です。20度で19日,25度で15日という計算になります。種親は,セットアップしたその日から産卵行動を開始するので,上記のタイムラグを考えて導入すればよいでしょう。子イモリの上陸時の絶食期間を1週間とするならば,上陸の10日前くらいがちょうどよいでしょう。上陸第1号の上陸10日前の様子を思い浮かべてみると,エラはまだフサフサしていたし,行動ものんびりしていて,上陸の気配は感じませんでした。ですので,子イモリの様子から,コオロギの種親のセットアップ時期を見極めるのは難しいです。最初の上陸を機に導入する場合,その子イモリに1齢幼虫を与えるまでに2週間から3週間近くかかってしまい,とても心配になります。先人の飼育日記を拝察するに,だいたい孵化から2か月くらいで上陸が始まるようですから,孵化50日後を目安にコオロギ種親導入がベストだと思います。

コオロギの種親導入に必要なアイテムをリストアップします。今回,フタホシコオロギの成体40匹セットを購入しています。この数量を前提として考えます。

・プラケース ⇒ 幅30cmくらいのもの1個

・プラケース ⇒ 最小サイズを数個,メンテ時のテンポラリとして

・トイレットペーパーの芯 ⇒ 足場,隠れ家,居住面積拡大(廃物利用)5~6個

・プリンカップ ⇒ 産卵床として利用(ミニヨーグルトの空き容器で代用可),1個

・プリンカップ ⇒ ハサミで深さ5~10mmに加工し,エサ皿として利用。1個

・トイレットロール ⇒ 産卵床として(人間様用のを拝借)

・霧吹き ⇒ 産卵床のセットアップに利用

・菜箸,ピンセット ⇒ 産卵床のメンテや,足場の管理に利用

・テトラフィン ⇒ コオロギのエサとして(本来はキンギョ用)

・ビニール袋,輪ゴム ⇒ 孵化までの産卵床の保管に利用

プラケースにテトラフィンくらいを新規購入すれば,だいたい何とかなってしまうかと思います。

今回は,コオロギ飼育立ち上げに伴って,考えていることをまとめてみました。運用を続けていくうちにノウハウが蓄積されたら,またブログのネタにしたいと思います。

3 件のコメント:

  1. こんにちは。
    おかげさまで、上陸したイモリたちは元気です。
    トビムシもあげてみたのですが、小さすぎて食べてるかどうかさっぱりわかないので、今は「アカムシフリフリ作戦」を続けています。
    どの子が食べてくれているのか特定出来ないのですが、時々食べてくれます。

    ところで、一度上陸したイモちゃんたちは、いつ頃また水に戻るかご存じですか?

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    1. モカさん,こんばんは。
      うちは,熱帯魚飼育部屋にて年中24度くらいの飼育環境で,毎日パワーフーディングで育成促進。10ヶ月で水に入りました。かなり,はやいペースだと思います。探せば,記事が出てくると思います。

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  2. シゲルさま
    ご返事ありがとうございます<(__*)>
    いろいろ記事を探したのですが、3年や1.5〜2.5年というのがありました。
    10ヶ月は早いですね!
    うちもパワーフィーディングで早期育成目指します。
    ありがとうございます。

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